中国には『王婆卖瓜自卖自夸:ワンポ〜 マイグア〜♫ ズ-マイ〜 ズ-クア♬』という、みんなが知っている、とても有名な歌がある。どれくらい有名かと言うと『王婆(ワンポ-)…』というだけで、その続きは、みんなが口ずさむすほどであるwww。これを直訳すと……
『王婆さんはスイカを売っていて、自分で売って、自分で褒めている。』すなわち、
『スイカ売りの王婆さんは、自分のスイカが一番うまいと自慢している。』となり、自画自賛の意味となる。
中国人がこのフレーズを使うときは、自慢話をしている人に対し、皮肉った言い方をする時に使うのである。特に憎しみを込めている訳ではなく、からかうといった感じである。
私が上海に来て3年が経った頃の話であるが、この王婆とよく似た経験をした事がある。ある時、近隣の調査会社へ訪問し、業務内容や調査設備などを確認しようという事になり、こちらは日本人2名、現地スタッフ2名の4名体制で訪問する事となった時の話である。
上海市内にある調査会社で、向こうは総勢7~8名で出迎えてくれて、ミーティングを開く事となったのだが、自己紹介の初めに『業務内容を説明する前に、我々個人の経歴を知ってもらった方が良い』とリーダーらしき人物が言い始め、リーダーから各人の紹介が始まった。『彼は○○大学の○○学科卒で、NBA資格を持っていて…』『彼女は今年この会社に入ってくれて、□□大学で、××を学んで、非常に戦力に…』こんな紹介が、7~8人分続くのである‼ そこから先は、あまりにも憤慨しすぎて、どんな内容かすら覚えてないのだが… なんてバカげた紹介だ‼『だから何なの?』である。
こんな事で憤慨してしまうのは、自分に学歴コンプレックスがあるからなのか⁉ (確かに否めないがwww)、同じく自慢するような学歴がない我々のスタッフの為だったのか⁉ 自分でも分からないのだが、『今時、こんなどうでもよい個人情報を自慢する会社がある事に驚きを隠せなかった』のである。しかもクライアントにもなり得る初対面の人に対してである。以後、一切利用していないのは言うまでもない。
一方で、これが今の中国のレベルなのだと理解した。大学入試一発勝負の競争社会で、勝ち抜いた彼ら彼女らが、誇らしく学歴や資格をひけらかしたくなるのも仕方がない事だろう。また、その学歴や資格などを自慢して『俺たちはこんなにも出来る人間なんだ!』と信用を勝ち取るのも、これまた中国式である。
昨今、大学進学率が高くなり、教育レベルや民度が高くなってゆくのは良いが、今後はIQ(知能指数)よりEQ(心の知能指数。仕事への取り組み姿勢や人間関係への関心の度合いなどを感情という視点から測定する指数)も経験をした方がいいのではなかろうか⁉ と思わずにはいられない一幕であった。
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