ある出張の帰りに、上海空港に降り立った時の話である。夜の9時くらいであったであろうか、タクシーは長蛇の列…諦めて地下鉄で帰ろうと電車に乗っている時の話である。
私は電車に揺られながら、ボーッと入り口付近のカップルを見ていた。大きなスーツケース2つ、20代後半くらい、海外旅行の帰りかも知れない。どうも口論している模様。いや、口論というより、女性が一方的に男性に罵声を浴びせているといった表現の方が正しそうである。男性は一生懸命になだめている様子。大きな声なので丸聞こえであるのだが、周囲の人は一向に気にしないのである。
まあ、上海ではよく見る光景である。『あんなに会話の内容が丸聞こえで恥ずかしくないのかなぁ~?』というのが、いつも考える事である。そうこうしている内に、カップルの目的地の駅に着いたのだが、扉を開いた瞬間に、女性が一言『快点‼‼(早く)』と怒って言いながら、女性はそそくさと降りて行ってしまったのだが、男性はというと、大きなスーツケース2つを不器用に転がしながら、彼女を追いかけながら、電車を降りるのである…悲し~‼‼これを見ていて妙に悲しい気持ちになってしまったのである。
元々上海の男性は優しいと有名であるが、このようなリアルな現場に出くわしてしまうと、どうも悲しくなってしまう。重慶の男性もそんな感じだが、女性と口論する事すらないのではないか⁉ と思ってしまうくらい弱腰である。良い言い方をすると『底抜けに優しい』であるが…。喧嘩の原因はなんにせよ、本当の優しさとは!? を知ってほしい今日この頃である‼
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