中国タクシー事情
皆さんが思っているより、比較的安全な中国。普段生活をしていても、危険という観点では、ここが外国か⁉ と錯覚を起こすくらい、危ない目に合ったことがない。しかしこれは、私が男性であるという事とそういう目に遭遇したことがないラッキーなだけかもしれない。近年、滴滴(ディーディー)という(個人・正規タクシー選べる)タクシー予約アプリで、女性が暴行されるという事件が立て続けに起こっている。今は経営者が対策していると聞いているが、用心に越したことはないだろう。
また、世界的な商業都市上海といえど、交通の便は、東京などと比べると月とスッポンくらい差がある。地下鉄も発達しているが、まだまだ、地下鉄だけでは行けない場所がいっぱいある。よって、バスやタクシーを使う頻度は非常に高いのが現状である。しかも、その頼りの地下鉄も22:30以降は、運行停止、朝も6時くらいからで、いざという時には役に立たないのである。
昨今、上記で書いた滴滴(ディーディー)の予約アプリの利用者急増で、タクシーがかなり捕まりにくい傾向にあり、加えて、支払いは現金でなくWechat(日本で言うLINE)など携帯決済が主流になっている事も最近のタクシー事情として、付け加えておこう。
タクシーぼったくりパターン
普通に生活をしている分には、タクシーで騙される事が多かったので、まずは、我々現地に住んでいる人が、タクシーで騙されるパターンについて、ご紹介しよう。
上海駐在員がタクシー被害にあった実例
①外国人や地方から来ていると分かると、ワザと遠回りをする。(正規タクシーも)
②行先を聞き間違えたフリをして高速に乗り、遠くで降ろされた。
③不正メーターで、急ピッチで料金が上がってゆく。(ボタンか何かあるかもしれない?)
④上海では地下鉄など共通の交通カードが使えるのが義務だが、現金しか受け付けない。目的地到着直前でメーターを倒し、現金精算しか出来なくする。
⑤その交通カードが『使えない』といって、空のカードとすり替えられる。日本人は後ろに座ることが多いので、簡単にすり替えられる。(中国人は助手席に座る)
⑥ある同僚が100元札が『これ偽札‼使えない‼』連発で数百元も偽札とすり替えられた。
元々タクシー料金は安いので、小額なら目を瞑ることも出来るが、カードのすり替えなどは、残金が全て奪われるので、とても許しがたい行為である。
それから、話を進める前に一言。上海を中心に話をしているのは、田舎など地方に行くと、様々なパターンがあるので、この限りではないからである。少しだけ紹介しておこう。
田舎タクシーあるある
①見た目は全く正規感なく、都市部で言う白タクの様に見えるが正規のタクシー。
②料金メーターがなく、料金は全て交渉。
③市外など、遠方に移動してもらう時は、帰りの料金も要求される。例えば通常、目的地まで200元であっても、帰りの200元を足してトータル400元支払わなければならない。領収証は紙で貰えるので少し安心。
④地域によって、〇〇税といって、少しだけ料金を余分に支払うケースもある。
⑤比較的都会の重慶でも、乗合タクシーが普通である。私が一人で乗車中でも、道で待っている人に行き先を聞いて、一緒に乗せてしまう。
中国 ぼったくりタクシー対策
被害を最小限に抑える為に、私の経験と通じて『中国 ぼったくりタクシー対策』をまとめてみみた。中国に旅行や出張に来る時など、頭の片隅に置いてもらえれば嬉しい限りである。
中国白タク対策
その①
出来るだけ、台数の多い車体色のタクシーを選ぼう
上海においてもタクシーの種類はたくさんある。私もほとんど会社名は覚えておらず車体色で判断している。上海の場合、最も多いのは ①黄色 ②エメラルドグリーン ③濃紺などが比較的大手会社である。
その②
形で選ぼう。狙い目は黄色のBOX車
優先は 1位:ロンドンリムジン風 2位:黄色のBOX車 3位:黄色のセダンとなる。理由は黄色のBOX車は、2008年のオリンピック以降普及した為、比較的白タクが少ないからである。ロンドン風リムジン車はもっと新しいのでより良いが、数が少ないのと料金が少し高い。(初乗り料金はセダン:14元、BOX :16元、リムジン風:25元)
その③ 重要
運転席を覆うプラスチックのカバーのついていないタクシーには乗らないこと
正規のタクシーには普通、運転席を覆うように透明なプラスチックのカバーがついているのだが、廃車時には外されて、使いまわされる。その廃車を買い取って商売を始めるのが白タクであり、白タクには付いていない。この見分け方が一番簡単で外からでも確認できる。しかし、地方都市に言った場合は、無いのが普通なので、上海限定である。
その④
助手席の前のダッシュボードに提示されている正規運転手番号を確認する事
正規タクシーには運転手番号があり、提示が義務付けられている。無かった場合は乗らないのが無難。偽造である可能性もあるので、あえて携帯で写真を撮るなどアピールするのも手だろう。
一番覚えておいて欲しいのはその③である。運転席の透明のプラスチックのカバーが無いのは、ほぼ間違いなく白タク。いい人もいるが、乗らないのが無難である。外からでも確認できるし、見分け方が簡単である。
そして、止むを得ず乗ってしまった場合のささやかな抵抗もお伝えしておこう。
止むを得ず白タクに乗ってしまった場合の抵抗
その①
後部座席に座り、携帯のシャッター音を鳴らす
乗る順番などでどうしても乗らないといけない場合は、先ずは諦めよう。せめてもの抵抗として、シャッター音をあえて鳴らし、警戒している感を醸し出すのも手だろう。遠回りや、メーター不正など、防げる可能性がある。悪党はカメラなどに敏感であり、生活が掛かっていて、想像以上に必死なので、警戒心も強い。
その②
領収書を貰っておこう
多少の金額で、警察に行くことはないと思うが、念のため、レシートをもらって証拠を掴んでおこう。ある同僚は、レシートをもらったが、ナンバープレートの箇所だけちぎられていたwww。証拠隠滅には最新の注意を払うようである。
私は、白タクに乗ってしまったら『お前、偽タクシーだろう?』とか『領収書は正式に出せるのか?』『そこの道は曲がれ!』とか、いかにも知っている風を装う事にしている。中国語がしゃべれなければ、無言のプレッシャーのシャッター音がいい様に思う。
最後に、今までの経験上から学んだ自分なりの『中国ぼったくりタクシー対策』であるが、重要な心得として、『あきらめることも肝心』ということである。小額な被害となるケースが多いので、腹正しいことであるが、外国人が中国で問題を起こしたとなると、どういう処分が下されるのか分からないのが中国である。外国人ということを自覚し、諦めることも肝心である事もお伝えしておきたい。
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