私が上海に来て間もない頃の話である。当然、中国語もロクにしゃべれないのだが、安くて美味しいローカルフードにハマっていた。例えば小籠包が、6個入り6元(90円)とか、定食20元(300円)とかでかなり安いのだが、量はかなりあるのが特徴である。
当時は来たばかりで新鮮感もあってよく行ったのだが、一つどうしても嫌な事があった。それは店員の態度である。アルバイトであろうか!? 若い女性がカウンターを任されている事が多かったのだが、これが冷たいのなんの‼ ローテーションらしく、気のいい店員だと笑ってくれたりするのだが、クスリとも笑わず、見下した冷ややかな目で見る小娘もいるのである。これにあたると最悪である。一気に気分が滅入るのである。
私: 『トマトとナスの炒め定食』(もちろん中国語で)
店員: 『・・・』
私: 『トマトとナスの炒め定食…』
店員: 『あ”~っ?』(関西弁でいうとメンチ切りながら)
私: 『・・・麻婆豆腐で…』
店員: (無言で、注文のレシートを渡される)
このような具合である。冷たい目で小生意気な小娘に 『あ”~っ?』などと、恫喝まがいに言われると、ほとんど日本語と発音が同じ麻婆豆腐(マーボードウフ)か青椒肉絲(チンジャオロウスー)を頼んでしまうのである…いわゆる発音が通じなかったときの最後の砦の様な、保険の様なものである。また、私の同僚も同じ目に遭っていて、注文する時、会社の会議などでよく使うレーザーポインターをポケットからサッと出して『これ!』と店員の後ろの注文看板を指したのである。それを見ていた店内の客が大笑い…後ろから見ていた私は『日本人がバカにされるから、頼むからやめてくれ~』と心の中で叫ぶのであった。
この『あ”~っ?』という発音は、スタッフに聞くと、日本で聞き返す『は?』みたいなもので失礼に当たらないと、後々判明するのだが、中国に来た当初は、なんて冷たいのだろうとしか思えないイカつさであった。因みに重慶はといえば、なんて優しい店員の態度!! こちらはオバサンが多いのだが、若い子もニコニコして、発音が悪い外国人に対して、一生懸命、聞き取れない重慶弁で何度も何度も説明してくれるのである。上海とのGAPもあり、とても感動するのである‼︎ 我思う! 接客は心である‼
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